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概要

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静岡県弁護士会 大石康智 会長約16万6000人にのぼり、ここ数年は毎年1万人以上のペースで増加しています。現国会においては「成年後見利用促進法」が上程されており、その成立が待たれているところです。司会/「これは重要課題である」と認識し、会として取組みをスタートさせる手順は何かあるのでしょうか。杉山/明確なものはありません。センスだと思います。ひとりの会員が「これは司法書士の力で何とかできるのではないか」と気付くセンス。そして、それに対して共感するセンス。ひとりでは難しくても、5人、10人と賛同する会員が増えていけば、大きな行動に繋がると思います。大石/東日本大震災の際、津波で家が流されてしまったため新しく家を建てたい。でも住宅ローンが残っていると、二重にローンを背負わなくてはなりません。そんなときは破産するしかないのか? 被災者の方が、そんな不利益をこうむるなんておかしい。そこで、日本弁護士連合会では、二重ローンの問題を立法的に解決できないかを取り上げています。 このように、相談の中から社会のニーズを知ることが多いと言えます。司会/最近の急務についてもお話いただきましたが、それについての対策や施策等をお聞かせください。杉山/やはり急速に増えている「成年後見案件」でしょうか。それに対応すべく、平成12年のスタート当初より「社団法人成年後見センター・リーガルサポート(現:公益社団法人)」を作り、成年後見業務に取り組む会員の支援・指導を行ってきました。 ただし、成年後見業務は司法書士だけですすめられるものではなく、福祉や行政、医療など様々な関係者との連携が必要です。そのため当会では、静岡県社会福祉士会、リーガルサポート静岡と三会合同会議を構成し、共同で課題に取り組んでいます。大石/法教育が重要だと考えています。例えば、? ブラック企業“に勤める新卒社会人が、その待遇の違法性や、弁護士に相談できることすら知らず、あきらめたりしてしまう場合があります。 そんな状況を変えるべく、法教育の一環として県立高校へ赴き「出前授業」を定期的に行っていますが、これは極めて効果的かつ実践的な活動だと考えています。杉山/人口減少は、静岡県のみならず全国的な問題でもあります。その影響を受け、今年5月に「空き家対策特別措置法」が施行されました。ある統計によると、適切な管理がなされず、特別措置法の対象となる可能性がある空き家は約318万件。登記や相続などの問題も含め、いろいろな面で司法書士がお役に立てるのではないかと考えています。大石/法教育と同じく積極的に活動しているのは「地域司法制度推進充実プロジェクト」です。これは、労働審判制度を浜松と沼津でも実現させ、利用者の利便性を高めるための取組みです。 また、訴訟件数の増加のため、報酬基準を明確にし、丁寧な解説に努めています。「司法アクセス向上」に向けた取組みと広報活動司会/「身近な法律専門家」であるためには、今お聞きした両会の素晴らしい活動内容を、県民の方々に知っていただくことも重要かと存じます。 その方法のひとつに「広報活動」がありますが、具体的にはどういった取組みをされているのでしょうか。杉山/まず挙げられるのは、この「HO2」による広報活動です。 「HO2」はすでに20年ほど前から発行している広報誌です。司法書士の業務内容や法律に関する易しい解説などの様々な情報をお届けすることによって、司法書士制度に親しみを持っていただきたい、という趣旨でスタートしました。その他に、県民だよりに広告を掲載したり、司法書士会の活動について記者発表をしたりして、県民の皆さんに対する広報活動を行っています。大石/ホームページや会報誌の発行、テレビコマーシャルなどを利用しています。その他、「会長声明」を発出しており、今年度はカジノ法案反対、労働基準法一部改正反対など、10ほど発出しました。 また、各委員会が行っている活動を紹介し、弁護士業務を理解していただくことと、市町における弁護士需要の喚起を目的に「行政のお品書き」を作成。県内の市町に配布しています。司会/広報活動について、今後の課題であると認識していることはございますか?大石/弁護士会そのものが、広報活動をあまり得意としていないこともあり、市民にとって私たちの活動がどんなものなのか十分に理解してもらえvol.113 ホーツーあなたに寄り添う法律家静岡県司法書士会4