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概要

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司法書士青島 学海氏司法書士榛葉 隆雄氏コーディネーター静岡県司法書士会副会長 古橋 清二氏アドバイザー 西ヶ谷 達氏コーディネーター/西村さんは「司法書士が行う創業支援」ということで移住者に特化したわけですが、青島さんのグループが研究している「ブラジル人法的支援」では、なぜブラジル人支援に特化したのでしょうか。青島/私たちのチームには、浜松市、磐田市、湖西市に事務所を構える7名が所属しています。浜松は全国的にもブラジル人の多い町として知られていますが、近隣エリアにも大企業の工場が多いことから外国人住民が多いんです。この3市では特にブラジル人住民が多く、各市の外国人住民に占めるブラジル人の割合は50%前後。 それにもかかわらず、ブラジル人向けの法律専門書などはほとんど存在しないんです。コーディネーター/専門書がほとんどない、ということはニーズも少ないのでは?と思ってしまいますが、なぜそのような分野を研究するニーズがあると思ったのですか?青島/たしかに「ブラジル人から相談を受けて困った」という話を耳にしたことはありませんが、しかしこれは、相談先として司法書士が選ばれていないだけだと思うんです。榛葉/少額債権回収チームでも「高い報酬を払わなくてはならないから、司法書士には相談はできない」というように、報酬のことが選ばれない障壁となっているならそれはこちら側の問題ですから、何らかの工夫をしようと動き始めました。青島/私たち日本人でさえ、母国に住みながら様々なトラブルに遭遇します。ブラジルの方も、同じような悩みはあるはず……いや、むしろ外国で暮らしている分、日本人より多くの悩みを抱えているはずなんです。アドバイザー/古橋さんから「司法書士は事業を創り上げていく作業が苦手だ」と聞いていましたが、皆さんしっかりとFace to Faceがなされていますね。相手が抱えている問題の根本はどこにあるんだろうということを、きちんと理解されているようです。 あとは、このような取組みをしている事実を、もっと広くアピールできるとよいですね。困っている人はたくさんいるんですから。結成から半年余り。現在の取組みと今後の課題コーディネーター/榛葉さんから先ほど「障壁をなくしていかないと」という言葉がありましたが、障壁をなくすための工夫は、何かされましたか?榛葉/債権の発生自体に争いがない事案、例えば売掛金の未払いなどがそうですが、同種の債権を5件以上、個々の未収金が1万円以上、回収実績に対して3割の成功報酬をいただく、という三つの条件を設定して合理化することで、報酬の引下げをしました。 また、この取組みを「債権回収し隊」と名付け、PR活動にも力を入れています。青島/私たちのチームもポルトガル語で書かれたチラシを作成し、各市の平成27年度から新たに立ち上げた業務研究委員会には、12の研究チームが設置されています。今回の座談会は、経営コンサルタントである西ヶ谷氏を交え、このうち三つのチームの代表者に出席いただき、研究テーマや活動内容、今後の目標などを語っていただきました。  チームリーダー座談会「市民と共に vol.114 ホーツーあなたに寄り添う法律家?? 静岡県司法書士会