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概要

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司法書士 榛葉 隆雄氏特集1座談会 チームリーダー座談会「市民と共に歩む司法書士」司法書士 青島 学海氏 × 榛葉 隆雄氏 × 西村 やす子氏満足とは「社会貢献」を意識してこそ。仕事を乗り越え、何ができるのかを問うコーディネーター/司法書士の業務も、社会一般で行われている相談業務と、ようやく同じ立ち位置になれたのではないか、という印象でしょうか。 さて、今回の研究テーマを考えるにあたり、西ヶ谷さんより社会貢献を意識することが重要とのお話がありました。その意味するところをお聞かせいただけますか?アドバイザー/満足とは何か、ということです。利益が上がったとか地位が高くなったとかではなく、どれだけ社会に貢献できたかなんですね。 社会貢献を意識すると、利益を度外視した何かがあって、その途中で利益が生じることがあると思うんです。榛葉/空き家対策の場合、「地域のため」「大家さんのため」「入居者のため」という三つの輪を結びつけるのが当初からの目的。住宅困窮者に住宅を提供することも社会貢献ですし、大家さんに対して、固定資産税対策や新たに施行された空き家対策法への対応としての解決法を提示できることも、社会貢献ではないでしょうか。青島/ブラジル人からの相談を受け付けることがすでに社会貢献だと思っています。ただそれだけではなく、ブラジル人の方も住みやすい街を目指し、法律ではない部分においてもサポートし、顔が見える関係を築いていけたらと思っています。西村/移住は、様々な効果を生み出すのではないかと感じています。例えば中山間地や漁村の地元民は、農業や漁業についてはプロですがマーケティングについて考えている人が少ない。そこに東京から、企業に勤めていた人が移住し農業や漁業に就いた場合、ただ生産するのではなく、そこにどんな付加価値をつければ売ることができるのかを考え、市場を意識した生産活動をすることができる。そして新しいコミュニティによって、一次産業がどんどん活性化すると思っています。榛葉/起業や創業を目指す移住者も多いとのことですが、例えば私が成年後見人を務める方が店舗を所有し、売りたいと考えている方もいます。そういう情報を、司法書士同士が共有できていないのも事実です。実は、空き家対策プロジェクトの次のステップとして視野に入れているところです。コーディネーター/大変興味深いですね。今日お越しいただいた三つを含め、全部で12の研究チームがありますが、将来的に相互間で化学反応が起きてきたら素晴らしいな、と思います。それでは最後になりますが、研究期間の終期である平成29年3月に、皆さんのチームがどのような姿になっているか、漢字一文字で表していただけますか?青島/私は「常」の一文字を選びました。ブラジル人のための常設相談窓口設置を目指し、常設の一字を取りました。また、ブラジル人の方に常に寄り添う存在でありたい、という意味も含まれています。榛葉/「超」ですね。常識を乗り越え、価値観を乗り越え、殻を突き破る。超越し、超えていく先には新しい風景があり、またさらにそれを超え、繰り返されていっても、制度はずっとつながって行く、そんな意味でしょうか。西村/先日、法律相談アプリの存在を知りました。無料の会社設立アプリもあるそうです。これからの時代、司法書士のルーティンワークは人工知能にとって変わられる可能性もありますね。 私が選んだのは「創」。司法書士も様々な分野に挑戦し、新しい価値を創ることが大切だと感じています。コーディネーター/まさしく「常に、常識を超えて、創り出していく」ということでしょうか。 最後に、西ヶ谷さんから各チームへエールをお願いします。アドバイザー/西村さんも先ほどおっしゃっていたように、人工知能の発達によって今ある仕事のほとんどが消滅するのではないかと言われています。そのためには、新しい価値を生み出しそれを知らしめていくことが大切です。 また、誰と繋がるのか、誰から買うのかも、さらに重要になってくるはずです。コーディネーター/次々に複雑な社会問題が発生し続ける中で、私たち司法書士も敏感に問題を感じ取り、市民の皆さんと一緒に考えていくことが求められると思います。 各チームの皆さんには、これからも「市民と共に歩む司法書士」を実践していただき、ぜひとも市民の期待に応えることができることを願っています。 本日はありがとうございました。vol.114 ホーツーあなたに寄り添う法律家?? 静岡県司法書士会