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概要

ho2vol116

1 近年、災害復旧や空き家対策などの場面において、土地所有者の特定に時間を要し対策推進に支障を来しているという事例が各地で報告されています。相続登記放置がもたらすこの問題について講師の吉原さんは、日本の土地制度に原因の一端があると指摘しました。 人口の減少、地価の下落傾向が続く中、その水面下で静かに進行してきたのがこの問題です。地方から人が減ることにより土地の継承は断絶し、山林や農地の管理放棄が進む。そして土地の資産価値の低下が相続人の登記に対する無関心に拍車をかける。このような状況に対応しようとしない硬直化した現行土地制度によって登記放置の拡大がもたらされているというわけです。 被災者などその時の弱者にしわ寄せがくるこの問題は、決して自然消滅することはありません。相続登記の放置という不作為が作り出す負の連鎖を断ち切り、次の世代へ適切に資産を引き継いでいくためにも、時代に即した土地法制への見直しが必要になってくるのです。「しずおか未登記シンポジウム」の開催静岡県地域防災の日に考えるしずおか未登記シンポジウム~子どもたちの未来と未登記問題~参加者の皆さんからいただいたアンケートをご紹介します。特集2 平成28年12月4日(日)、ホテルアソシア静岡にて(一社)静岡県公共嘱託登記司法書士協会は(公社)静岡県公共嘱託登記土地家屋調査士協会との共催で、基調講演に(公財)東京財団の吉原祥子さん、司会・コーディネーターにタレントの久保ひとみさんをお迎えし「しずおか未登記シンポジウム~子どもたちの未来と未登記問題」を開催しました。 「未登記」とは、相続などが発生しても登記手続きがされないままの状態をいい、日頃の不動産取引や、境界立会いに支障が生じるだけでなく、災害時の復旧・復興にも影響を及ぼしています。本シンポジウムでは、未登記問題を通して今後発生するであろう災害への備えについて考えました。 相続登記をしていないことにより、思わぬ時に、思わぬ人にまで迷惑をかけてしまう、あるいは思わぬ支障を来してしまうという現実があることに驚いた方も多かったのではないでしょうか。 皆さん、相続登記はお済みですか?大切な権利を守るとともに、子供たちのため、そして災害の備えとして、未来に登記のバトンをつないでいきましょう。〇未登記の状態は自然消滅しない〇やっぱり気付いている専門家が声を出して動かないと〇個人の資産を守る登記が公共の問題に絡んでいることはとても考えさせられた〇相続登記は、自分のためだけでなく、子供たちのため、近隣の方々のため、災害のためにすべきだということがわかりました実行委員長 桑原淑浩講師 吉原祥子日本の土地制度に問題が?第一部 基調講演「日本の土地制度の課題」公益財団法人東京財団吉原祥子さん?新聞やTVでも取り上げられました!10vol.116 ホーツーあなたに寄り添う法律家静岡県司法書士会