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概要

ho2vol117

巻頭特集2vol.117 ホーツーあなたに寄り添う法律家静岡県司法書士会   長期にわたり相続登記が申請されないことにより、登記記録から現在の所有者が判明しない不動産が増加しており、このために公共事業用地の取得に長時間を要したり、空き家の放置、遊休農地の発生、農地集約化の妨げなど、様々な問題が生じています。 不動産の資産価値に関心が高かった時代や、地縁・血縁関係が強かった時代では、相続が発生すれば比較的速やかに相続登記が申請されていたため、不動産の所有者が不明となることは少なかったのですが、今日では、不動産に対する関心は多様化し、必ずしも所有を望まず、むしろ管理や課税に対する負担感さえ抱き、相続登記が放置されるケースも多数生じています。 さらに、相続登記を申請する際には亡くなられた方(被相続人)の相続人を確定するため、戸籍謄本等をそろえなければならないのですが、複数部にわたる戸籍を取りそろえることが煩雑で、相続登記を申請する意欲が削がれてしまうという声も聞かれます。 そこで、相続登記申請の際の負担を軽減し、相続登記を促進するため、「法定相続情報証明」の制度が新設されました。 「法定相続情報一覧図」(見本1)を作成し、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍と相続人全員の戸籍を添付し、法務局に「法定相続情報一覧図の保管等の申出」を行います。 この申出では、相続手続きを必要とする相続人が、法務局に前記の法定相続情報一覧図を提出し、これを保管してもらうとともに、認証を付した一覧図の写しを交付してもらいます。「認証文付き法定相続情報一覧図の写し」(見本2)は、法定相続人に関する公的な証明書となりますから、今後、様々な相続手続きの場面で、戸籍等の提出に代わって利用されることが期待されます。 はじめに戸籍をそろえておかなくてはならない点は今までと同様ですが、これまでは法務局への登記申請、複数の金融機関での預貯金解約や証券会社での株式の名義変更などの都度、収集した戸籍一式を持参し、提出・確認を繰り返していましたから、そうした負担が解消されるわけです(イメージ図参照)。 法定相続情報証明制度がスタートしました。 相続登記はもとより、預貯金・株式等の相続手続きを簡便にするこの制度、静岡県司法書士会では、専門チーム「あかし運営委員会」を立ち上げ、この制度の広報、普及をはじめ、一般の方々の利便に応えるための様々な取り組みをしています。 今回は「あかし運営委員会」が、相続手続きに関する皆さんの疑問にお答えいたします!制度が創設された理由は?具体的な利用方法を教えて下さい。法定相続情報証明始まりました!