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概要

HO2.vol118

巻頭特集プロが教える「民事信託」のツボ 子どもたちに金銭的な負担を掛けさせたくないとの思いから老後資金をコツコツと蓄えてきたのに、認知症を患ってしまったため金融機関から出金を断られてしまう・・・ こんなケースは、しばしば耳にします。 もちろん、家庭裁判所で成年後見人を選任してもらうことで問題は解決できますが、認知症になる前の「備え」として民事信託を活用することもできます。 この例では、ご長男を受託者に指定し、老後資金として貯蓄した現金を信託します。信託により、形式的ではあっても所有権は受託者に移りますから、委託者が認知症になったとしても、受託者であるご長男は「自分名義の預金」として自由に引出しが可能となります。 委託者自身を受益者としておけば、贈与税はかかりません。 信託では「信託終了後に残った信託財産を誰に帰属させるか?」を予め決めておくこともできますので、委託者が死亡し財産管理が不要になった場合は、残った財産をご長男に受け取ってもらうことも可能です。 「数年後に大学進学や海外留学を希望している孫のために、教育資金を確保しておいてやりたい」というようなニーズも増えてきそうです。 受益者はお孫さんになりますから贈与税の心配がありますが、「相続時精算課税制度」という仕組みを活用すれば解決できそうです。 受託者はお孫さんの親でももちろんよいのですが、「元気なうちは自分で管理したい」という方の場合には、委託者ご自身を受託者として指定する特殊な方法も検討できます(「自己信託」と呼ばれます)。 また、ご自身が財産管理できなくなった場合に備え、あらかじめ2 次受託者を定めておくことも可能です。「民事信託」に挑戦!図-D ●預金を信託財産とする委託者受託者受益者●近くに住む長男●信託の目的は、介護費用に要する支払い●信託財産であることを明示した受託者名義の専用口座を開設することで、認知症になった後も受託者が単独で引出し可能こんなニーズに…どう応える?●高齢の独居男性(預金あり)●施設入所予定●介護費用等で迷惑をかけたくない●認知症になると銀行預金の引出しも面倒?●受益者=委託者●委託者死亡後、信託財産の権利帰属先は受託者図-E委託者受託者受益者●預金を信託財産とする●大学入学予定の孫こんなニーズに…どう応える?相続時精算課税を利用●1次:委託者●2次:委託者の死亡または後見開始後は子●祖父(預金あり)●子より、孫の大学入学資金・留学費等の支援を求められている孫への教育資金!「信託」の活用事例②老後の介護資金を託す!「信託」の活用事例①4vol.118 ホーツーあなたに寄り添う法律家静岡県司法書士会